
皆さんこんにちは、今回紹介する本は哲学史の本です。今回の哲学の本は昔話と絡めています。
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今回は難しい哲学を昔話と絡めてわかりやすく説明した入門書的な本になります
桃太郎、浦島太郎など有名な昔話7つを36人の哲学者たちの思想、名言を織り交ぜ哲学初心者にわかりやすく説明。
初心者向けといえども読んでいると結構奥が深くてハッとさせられる内容が多いです
主な収録昔話
■第一章 桃太郎
(ジョン・ロック[所有権]/ジャン=ポール・サルトル[実存主義]/ニッコロ・マキアヴェッリ[君主論]/ルネ・デカルト×ブレーズ・パスカル[我思う、 ゆえに我あり×繊細の精神]/アリストテレス[正義])
■第二章 浦島太郎
(フリードリヒ・ニーチェ[道徳]/ピーター・シンガー[動物の権利]/エピクロス[胃袋の快]/アンリ・ベルクソン[時間]/荘子[万物斉同])
■第三章 鶴の恩返し
(イマヌエル・カント[実践理性]/九鬼周造[いき]/モーリス・メルロ=ポンティ[《肉》]/ユルゲン・ハーバーマス[コミュニケーション的理性]/アルトゥル・ショーペンハウアー[意志の否定])
■第四章 おむすびころりん
(ロジェ・カイヨワ[遊び]/ジェレミー・ベンサム[最大多数の最大幸福]/ジョン・デューイ[道具主義]/和辻哲郎[間柄]/アルフレッド・アドラー[課題の分離])
■第五章 わらしべ長者
(エピクテトス[禁欲主義]/G・W・F・ヘーゲル[弁証法]/アダム・スミス[同感]/ジョン・スチュワート・ミル[質的功利主義]/クロード・レヴィ=ストロース[構造主義])
■第六章 かぐや姫
(ゲオルク・ジンメル[貨幣]/シモーヌ・ド・ボーヴォワール[フェミニズム]/プラトン[イデア]/アルベール・カミュ[不条理]/三木清[希望])
■第七章 さるかに合戦
(フランシス・ベーコン[経験論]/孫武(孫子)[兵法]/トマス・ホッブズ[自然状態]/山本常朝[武士道]/コーネル・ウェスト[行動])
自分が特に好きな話として鶴の恩返しにおけるおじいさんが機織りを覗いたことに関して。女性とおじいさんとの間にもっとコミュニケーションを取っていれば覗きは防げたのではないかという解釈。
これをコミュニケーション的理性という思想になるのですが、これは
- 難しい言葉を使わない
- 全否定しない
- 相手の話をよく聞く
という3つの原則からなるといいます。つまり女性が覗かないで下さいと一方的でなくちゃんとコミュニケーションを取っていればおじいさんは覗かなかったかもということになります。
そんな考えで昔話を捉えるというのが斬新です。
ちなみにこの思想を提唱したハーバーマスという哲学者は存命していて今も活躍中です。
哲学者って昔の人のイメージが強いので現代で哲学者がいるというのも結構な驚きでもあります。
おすすめポイント
◆マンガと解説のバランスがよくとれて哲学を面白く理解したいという人
◆ちょっとした時間に読みたい人
◆ポップな表現ですがテーマが深いです。読みながら、読んだ後にじっくり考えたいという人
◆哲学の入門書として最適です。誰かに哲学を教えたり、会話の引き出しを増やしたい人
こんな方々には最適な本だと思います。
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